5月の読んだ本 まとめ

5月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2469
ナイス数:2861

メイコの遊び場(1) (アクションコミックス)メイコの遊び場(1) (アクションコミックス)感想
メイコが昼間は同じ年頃の子供たちと遊び、夜は大人の心を「壊す」仕事をしている。舞台が西成や飛田新地あたりで、時代が1970年代なのに心くすぐられた。子供たちが空き地で遊ぶ描写にも郷愁があり、出てくる遊びが興味深い。各話、昼間やった遊びが夜の仕事に生きる構成は、気が利いている。「壊す」描写のシュールな怖さも昔のアングラ漫画ぽくって懐かしい。ただし、つげ義春の「ねじ式」の主人公めいた少年が出てきたり、いかにも狙いました、が見えすぎるのが難点。無表情ながら可愛らしさもあるメイコに魅力あるので続きは読んでみたい。
読了日:05月28日 著者:岡田 索雲
桃鬼城奇譚 (双葉文庫)桃鬼城奇譚 (双葉文庫)感想
「桃太郎」を新解釈して長編小説に仕上げた作品。リアリティラインを上げつつも、ベースは守った姿勢。「桃太郎」こと太郎丸に因果があり、鬼退治をする必然性を作ってある。名前に動物名が入った人物らが集い、戦いに向かうお話。仲間とのドラマや活劇描写が濃く、その上で主人公の人物像に捻りがあったのには、意表を突かれた。なので展開が読めそうで読めなかったりもする。また戦う鬼のホラー映画風の生々しさ、在りように迫力があり、娯楽度の高い王道の伝奇ロマンとして面白い。25年前の作品の改題再刊だが、斬新で「新作」として読める。
読了日:05月27日 著者:柏田 道夫
モテるマンガ 5巻 (ヤングキングコミックス)モテるマンガ 5巻 (ヤングキングコミックス)感想
「恋愛の終わり」や「異性との別れ」に言及している回があるのが、いかにも最終巻らしい掘り下げをやっている気がした。後半になるにつれ、実践的に行動し自身のモチベーションを上げるアドバイスが多くなるのはゲンナリというか、正直面倒くさいです。現在、そこまでしてモテたいほど飢えた気分じゃないしなー。こういうがっついてない状態の方が現実良い気がするし。まあ今の私のメンタリティーに合ってないだけで、主張していることは頭ではわからんこともない。単純に教養ギャグ漫画としては面白いし、それでいいんじゃないかな、今んとこ。
読了日:05月24日 著者: 
男性恐怖症だった私がAV女優になるまでの話 1 (BUNCH COMICS)男性恐怖症だった私がAV女優になるまでの話 1 (BUNCH COMICS)感想
こういうタイトルのフィクションと思ってたら、「野々原なずな」というAV女優は本当にいて、その方本人が自伝的漫画を描いた作品だった。絵が上手というタイプの漫画ではないが、ささくれだった心理描写に引き込まれるものがあり、気がついたら読みきっていた。性的虐待をしてくる「パパ」や「お兄ちゃん」が黒い線の集合体のように描かれているのが恐ろしく、男性恐怖症がどういうものかちょっとわかったような気がする。1巻はすべて陰惨で精神的に辛い内容であった。このような女性がどうAV女優になっていくのか、とても気になる。
読了日:05月16日 著者:野々原 なずな
鬼滅の刃 20 : ジャンプコミックス鬼滅の刃 20 : ジャンプコミックス感想
ここしばらく総力戦が続き、この巻も凄まじい激戦が描かれる。なのでテンション上げて読んでいたら、スッとしっとりした哀しい回想場面に入っていく。このへんのドラマ作りは相変わらず上手い。なかなか倒せない強力な敵にいつの間にやら、感情移入させる手腕が見事。一冊の本が短く感じられて仕方がないなー。面白いだけでなく、味わい深いのが魅力の作品だね。
読了日:05月13日 著者:吾峠 呼世晴
SPY×FAMILY 4 (ジャンプコミックス)SPY×FAMILY 4 (ジャンプコミックス)感想
犬を飼おうとペットショップに出掛けたら、いつの間にやらミッションに突入。前巻でチラッとだけ登場した大きな犬が、どんな能力持ちか気になっていたがなるほど、そうきましたか。最悪の事態を避けるための、スパイ一家の行動。ロイド、ヨル、アーニャ、そして新規メンバーの犬、それぞれに躍動。サスペンスフルにして痛快、そしてコミカルに。チームワークも決まって今回も面白い。読みやすさも抜群で、思いきりスピーディーに読了。絶好調の内容を堪能できた。これからのファミリーの活躍が、ますます楽しみになってくる。早くも次巻待ち。
読了日:05月13日 著者:遠藤 達哉
超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~ (MF文庫J)超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~ (MF文庫J)感想
学園ラブコメに、謀略スパイ小説をかけ合わせた作品。基本は不器用な人間関係を描いたラブコメで、諜報要素が加わることで特殊な異化効果が出ている。主人公・凡田純一は、ライトノベルでありがちな平凡で目立たない少年であるが、それが存在感を消す偽装であるなど面白い。物語が後半になるにつれ、展開はハードでシリアスになっていくが、作品のユニークさは際立ってくるので不思議な読み心地。スパイ小説としての描き込みが堂に入っており、変わった味わいが生まれている。コミカルさとクールさが両立して楽しめた。続きが出るなら読んでみたい。
読了日:05月12日 著者:方波見咲
モテるマンガ 4巻 (ヤングキングコミックス)モテるマンガ 4巻 (ヤングキングコミックス)感想
普通にギャグ漫画として読んでいても楽しいが、「ナイジェリアの手紙」や「平安時代の恋の話」など切り口が凝ってて、論旨が展開するものは気がついたら真面目に読んでしまっている。この程よくふむふむと冷静に読んで、適当に笑ってる精神状態が丁度いいのかもしれないね。次巻で終わりかー。
読了日:05月04日 著者:ソウ
読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)感想
藤田和日郎による漫画家指南本。漫画家が書いたこの手の本は「荒木飛呂彦の漫画術」以来。荒木氏の本とは雰囲気が違うし、同じことを主張してる部分もあれば、正反対のことが書かれてある。この2冊だけ読んでも作者によって、創作法が違うのがわかり面白い。この本だと藤田和日郎のアドバイスを受けたり、編集者にダメ出しされたりの語り口に臨場感がある。本当に漫画家志望のアシスタントになった気がした。細かい作劇のアドバイスが参考になったが、全体としてはクリエイティブな仕事をする上での、コミュニケーション論として示唆に富んだ内容。
読了日:05月03日 著者:藤田 和日郎,飯田 一史
モテるマンガ 3巻 (ヤングキングコミックス)モテるマンガ 3巻 (ヤングキングコミックス)感想
2巻まで読んでいて、かなり空いて3巻を読む。とはいえ別にストーリーものではないから、読む支障はまったく無し。ギャグ漫画としてだけでもけっこう楽しめる。テーマがモテ論を超えて、人生論というべき内容になってる回があるのが興味深い。ヘルマン・ヘッセの童話や徒然草を題材に語ってる回は、妙に真面目に読んでしまった。参考になった気もするし、笑ったし、まあ程々にリフレッシュができた感じかな。
読了日:05月02日 著者: 
育ちざかりの教え子がやけにエモい (ガガガ文庫 す 6-1)育ちざかりの教え子がやけにエモい (ガガガ文庫 す 6-1)感想
書き込みすぎない、行間を読ませるタイプの文章で、かなり読みやすい。展開が派手でないのにドラマチックな感じがするのは、確かにタイトルどおり「エモい」。ヒロイン・椿屋ひなたを魅力的に描写する意図はわかるし、言動や態度で情動を揺さぶるタイプの作品なのもわかる。惜しいのは私にとって、ひなたが好ましく感じられる女の子じゃないんだなー。性的なことをやたら聞いてくるのも苦手(それを特定の人物にしかやらないにしても)。良くできた作品なのに、ノレない感覚は久しぶり。ラブコメってヒロインが好きになれるかどうかが大きいね。
読了日:05月01日 著者:鈴木 大輔

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