8月の読んだ本 まとめ

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:6677ページ
ナイス数:4383ナイス

ラーメン発見伝 16 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 16 (ビッグコミックス)感想
今までにもたまにあった食の女性心理をテーマにした話が増えてきた。主人公とヒロインの恋愛関係を掘り下げる意図でこういうエピソード入れてるのもあるのだろう。それで終わってしまうのではなく別の切り口が見えてくるし、毎度のことながら引き出しの多さに気付いて感心する。
読了日:8月31日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 15 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 15 (ビッグコミックス)感想
定番をこなしながらも本筋はより高い所に登り始めた。もはや芹沢が倒すべき強敵、ではなく超えるべき師匠に変化しつつある。求道漫画として方向性が定まってきた。
読了日:8月31日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 14 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 14 (ビッグコミックス)感想
これまでは旨かれ不味かれラーメンに真剣に取り組む人々が、主に登場していた。しかし、ここにきて悪質な業界人や不正が描かれてだしている。今のところそういった汚い者がはっきり裁かれる展開がない。現実にそういう業者がのうのうと商売してたりするんだろうなあ。安易に悪をやっつけてカタルシスに逃げないのが作品の誠実さか。んで業界の暗部が描かれるとちゃんとしたビジネスやってる芹沢が輝いちゃうのよね。伊達にハゲてないわ。
読了日:8月27日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 13 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 13 (ビッグコミックス)感想
いかに旨いラーメンを作るか?から、いかにラーメン屋を商売として成り立たせるか?にドーンと視野が広がってきた。よく言うイノベーションというものをここまで中身を持って描けるのも凄まじいんじゃないか。
読了日:8月27日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 12 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 12 (ビッグコミックス)感想
これまでラーメン屋を立て直して繁盛させるパターンが確立していただけに、潮時を感じてキッパリ足を洗う人が出てくるのはショッキング。強敵・芹沢を黙り込ませてしまう展開などあって、単発の話を重ねるだけではなく成長を描く意志が感じられる。極太麺の味を追って香川へうどん紀行するところはこの漫画としては異色の流れではあるが、ここまでくると良質のトラベルミステリーですな。
読了日:8月27日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 11 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 11 (ビッグコミックス)感想
前巻でラーメンマニアを極めた主人公がいよいよプロフェッショナルを目指す内容へと変わっていきた。この流れがどれだけ太くなっていくか引き続き巻数を追っていきたい。また各話、チェーン店やオカルト商売など11巻まできて引き出しがまだまだ有りますな。
読了日:8月27日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 10 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 10 (ビッグコミックス)感想
クイズ1問出る度にラーメン完食っていくらラーメン好きでも胃袋持たねえんじゃ?初めてこの漫画のラーメンでオエエってなりました。でもそこのところは割りきってアリとしたら示唆に富む内容でもある。ラーメンマニアの有り方だけではなく、クイズマニアをぶつけてくるのも幅があるなあ。あと主人公とヒロインの関係にようやく魅力出てきましたねー。
読了日:8月27日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 9 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 9 (ビッグコミックス)感想
ラーメン好きとラーメンマニアとラーメンおたくってどう違う?って面白い命題が出てきた。そのへん作品がどう解答を出すのかは持ち越しになったので続けて次巻いきます。
読了日:8月27日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 7 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 7 (ビッグコミックス)感想
最後の評論家の話はこの漫画にしては珍しく相手は改心しないし、やりこめて終わり。これは作品が楽な方に流れたというよりは、若手を潰すようなことを公言したりマージン貰って提灯記事を書く評論家に対する怒りが出たのではなかろうか?食の評論世界のことはよくわからんが、確かに書評とか映画評論でも似たようなことありますわなー。番外編の芹沢の過去の話も含蓄が深い。芹沢がやけっぱちで作って結果的に売れた脂ラーメンは本当に旨かったのか?
読了日:8月26日 著者:久部緑郎
らーめん才遊記 1 フムフムとワクワク (ビッグコミックス)らーめん才遊記 1 フムフムとワクワク (ビッグコミックス)感想
前作、ラーメン発見伝を読みきってから手を出すつもりが、ついページを開くとこちらも止まらない。漫画としてはこちらの方が洗練されている。老獪なプロフェッショナルと世間知らずではあるが才能ある女の子の対比が上手い。薀蓄も控えめで読みやすく大胆になっている。整理されてますね。でも発見伝は雑多な中にも魅力があってそこは目減りしている気もする。まあ、ラーメンがメインでもコンセプトが違う漫画と読むのが正しいかと。やはり芹沢という人物は魅力的ですねえ。フード・コンサルティングとは何?という問に明快な解答がズバッと出るし。
読了日:8月25日 著者:久部緑郎,河合単
ラーメン発見伝 8 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 8 (ビッグコミックス)感想
やはり芹沢が出てくると引き締まる。この巻は本物と偽物について考えてしまった。
読了日:8月25日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 6 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 6 (ビッグコミックス)感想
前巻はアマチュアがプロフェッショナルにやりこめられる話が多かったが、この巻はプロの驕り甘えまで描かれていて感心する。視点がほんと多角的。
読了日:8月25日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 5 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 5 (ビッグコミックス)感想
この巻はとりわけプロフェッショナルとアマチュアの違いにこだわった話が多く、考えさせられる。となると強大なプロ・芹沢が引き立ってくるのは当然の話で、主人公をやりこめてしまうところなど痛快ですらある。で、このプロとアマというテーマがラーメンの薀蓄に支えながらも、実はどんな業種でも通じる普遍的なことを言ってるのが骨太い。
読了日:8月25日 著者:久部緑郎
私の友達がモテないのはどう考えてもお前らが悪い。 (ガンガンコミックスONLINE)私の友達がモテないのはどう考えてもお前らが悪い。 (ガンガンコミックスONLINE)感想
本編新刊の修学旅行編が面白いけどゆうちゃんや小宮山、弟成分が展開上薄かった。そのぶんこっちで補充できて同時刊行もタイミングとしてよろしかったんじゃないかと。もこっち小宮山二人の近親憎悪的やりとりが卑屈すぎる。似た者同士いがみ合ってしまうのがわかるだけに身につまされる可笑しさ。ゆうちゃんは中学時代の野暮ったい頃の方が可愛いね。これだけ付き合いあって小宮山を綺麗サッパリ忘れるもこっちのクズさ。
読了日:8月24日 著者:谷川ニコ
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(8) (ガンガンコミックスONLINE)私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(8) (ガンガンコミックスONLINE)感想
ガンガンONLINEで読んでても面白かったけど、一冊にまとまるとパワー倍増。声だして笑った。もこっちとヤンキーの吉田の絡みが絶妙すぎる。殺伐としながらも班として居場所が出来つつあるのが微笑ましい。結果的に良いグループになっとるわ。修学旅行編はまだ続くので早く続きを単行本で読みたい。
読了日:8月23日 著者:谷川ニコ
ラーメン発見伝 4 (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 4 (ビッグコミックス)感想
ネットとか台湾の食事情など題材の拡がりがあって、描かれる膨大な知識薀蓄にほうほうと感心はする。しかし情報以上に人間やドラマを描けているのがさらに凄いんじゃないかと。扱いを間違えれば偏見まみれになりそうな題材をバランス良いストーリーに仕立ててるなあ。これ原作者の人間力がただもんじゃないと思う。悪役的立ち位置の芹沢という男を、こうも一本筋の通った魅力的なキャラクターとして登場させるセンスに脱帽。
読了日:8月23日 著者:久部緑郎
ラーメン発見伝 (3) (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 (3) (ビッグコミックス)感想
2編ほど恋愛を扱った人情もの的エピソードがあったが、抑制が効いていて素晴らしい。私は舌が肥えていないのでラーメンの味はよくわからんけど、この漫画のさじ加減が絶妙なのはわかる。
読了日:8月22日 著者:久部緑郎,河合単
ラーメン発見伝 (2) (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 (2) (ビッグコミックス)感想
たかがラーメンされどラーメン。ひたすらラーメンのことだけしか描かれてないのに凄まじい普遍性。小さな事象から大きな世界が見えてきたり、精神性の強さなど求道漫画として読み応えあり。
読了日:8月22日 著者:久部緑郎,河合単
ラーメン発見伝 (1) (ビッグコミックス)ラーメン発見伝 (1) (ビッグコミックス)感想
グルメ漫画特有の嫌味さ、話の引っ張りすぎがない。誰かを徹底した悪役にしたり、やり込めて終わりじゃないのがたいへん良い。どのキャラクターにしてもエピソードの最後には何らかの救いの手が差し伸べられる。これは読んでいて気持ちいい。続きいってみよー。
読了日:8月22日 著者:久部緑郎,河合単
竜虎の父: 剣客子連れ旅 (徳間文庫)竜虎の父: 剣客子連れ旅 (徳間文庫)感想
箱車に子供を乗せて仇討ちの旅に出る剣客、と思いきり子連れ狼を連想するが、読んでみるとオリジナリティーはある。とにかくぐいぐい話は動くし、ストーリーの錯綜させ方にもノセられるので、まずは好感触のスタート。主人公より女渡世人お藤の方がいまのところ魅力的。とりあえず続刊が出たら読んでみよう。
読了日:8月19日 著者:神谷仁
ヤンキー化する日本 (角川oneテーマ21)ヤンキー化する日本 (角川oneテーマ21)感想
業種の違う6人の相手らと対談を重ねて様々な角度からヤンキーの核心に迫ろうというのはわかる。各対談が興味深い内容ではあってもヤンキー論が肴程度になっているような?それで結果としてテーマが拡散しちゃってる気がした。結局論旨は「心とか気合いだけで良しとせんと、ちったぁ頭使えや」でええんちゃうかと。世の中は9割のヤンキーでできているならば1割のオタクになった方が私としては生きやすい。それに気付けただけでも読んだ価値はあったかな。しかし「Believe your 鳥肌」は強烈なインパクト。違う意味で鳥肌立つわ。
読了日:8月18日 著者:斎藤環
世界が土曜の夜の夢なら  ヤンキーと精神分析 (角川文庫)世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析 (角川文庫)感想
序盤がほとんどヤンキー文化の紹介羅列に近く、興味なかったり嫌悪するものが多いわで、一時はこの本を買ったことすら後悔した。しかし中盤から論旨が展開しだして面白く読める。精神科医ならではの分析もあっていろいろ考えさせられた。んで結局、思ったのは大方の日本人の心にヤンキーはいるんだろうけど私の中にはいないんだってこと。特に反知性主義は、どうあっても耐えられない世界にしか見えない。だからヤンキー文化に冷淡であったり嫌悪を持ってしまうのか。まあ、外敵とみなされたら容赦ないのがヤンキーなのでほどほどに距離とります。
読了日:8月17日 著者:斎藤環
侵略!イカ娘 4 (少年チャンピオン・コミックス)侵略!イカ娘 4 (少年チャンピオン・コミックス)感想
読み直してみると4巻は良エピソードが多いな。あと作風の幅を広げる工夫が感じられる。人間関係を膨らませてキャラの絡みを出そうとしてたり、早苗の髪型が過渡期だったり。絵や話を地道に変化させようとしてますね。こういう試行錯誤があってこそ20巻まで続いたんだろうな。でも私的には絵はこの頃の素朴な感じの方が好きかな。イカ娘がセミの墓を作るとこをさりげなく描く節度が素敵。
読了日:8月17日 著者:安部真弘
闇の狩人 (下巻) (新潮文庫)闇の狩人 (下巻) (新潮文庫)感想
下巻に入ってから展開に弾みと勢いが出た上に、ドラマチックになり一気に読めた。ダークなタイトルに反して綺麗な大団円。ただし分量のわりには軽いような。江戸の暗黒街、盗賊、仕掛人といった池波正太郎お得意要素入りまくりなので各パーツに期待しすぎたかも。そこのところは重厚な書き込みがなく、むしろ装飾。単純に過去を喪失した者が新たな自我を獲得し、男として誕生する話と見るべきか。和風ボーン・アイデンティティーと解釈するならかなり良かった気もする。
読了日:8月16日 著者:池波正太郎
乙女の読書道乙女の読書道感想
うわっ、ガチやわこの人。特に翻訳もののSF、ファンタジー好きのようで早川書房より東京創元社の本が多いのが渋いな。一冊の書評が短いわりには内容の良さが伝わってきたり、著者の趣味趣向がはっきりわかるあたりが頼もしい。文章から垣間見える素養からしてこの書評集はほんの氷山の一角を見せたにすぎなさそう。単純にエッセイ集としても面白かった。楽しそうに本を紹介されると元気出るしね。
読了日:8月15日 著者:池澤春菜
闇の狩人〈上〉 (新潮文庫)闇の狩人〈上〉 (新潮文庫)感想
久々に読む池波正太郎作品。内容がストレスなく頭に入ってくるし、整理されたスタイリッシュな文体は切れ味良い。闇社会の掟と義理人情、交錯する二人の男の人生、男と女のドラマ、といったシンメトリックな構成が奥行きを感じさせる。いまのところちょい展開がスローモーに感じるが、これは下巻に入る前の溜めと見るべきか。
読了日:8月12日 著者:池波正太郎
ダブル・ジョーカー (角川文庫)ダブル・ジョーカー (角川文庫)感想
単行本で読んでるけど文庫で特別収録の「眠る男」を読みたかったので。ふむ、なるほど。ジョーカー・ゲームの方の収録のあの話のアレか。つーてもこれ一本読むために文庫版まで買わざるをえないのもどうよ?
読了日:8月11日 著者:柳広司
小説 映画 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN (KCデラックス 週刊少年マガジン)小説 映画 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN (KCデラックス 週刊少年マガジン)感想
あまり期待しないで読んだら、けっこう出来の良いノベライズ。巨人の生々しさ恐怖感を文章で表現しにくいのは当然の話で、そこは弱い。しかし映画では流れがぶつ切りで説明不足に感じたところが、フォローされてスムーズに読める。また人物の唐突な言動行動もこのノベライズでは直っているし、心理描写の入れ方が的確。とても納得できる内容。謎や伏線の提示は映画より上手いんじゃないかと。ところどころ原作の台詞やエピソードの引用が嬉しい形で挿入されている。これ普通に小説として続きが読みたいわ。ということで来月発売の後編も読みます。
読了日:8月11日 著者:浅倉冬至,渡辺雄介,町山智浩
偽造同盟偽造同盟感想
帯に騙し合い!とか書いてる作品は、賢くない人物が安易な罠に嵌るだけだったり、ちょっとした引っ掛けをオーバーに宣伝してたりするが今回は著者岡田秀文の力量を信じて読んでみた。やはり手堅い。すべての人物が一癖あって信用しきれないし、いくつもの勢力が入り混じり駆け引きありで読んでる方も油断出来ない。マクガフィンの使い方がたいへん巧み。真相が二転三転する仕掛けや派手な見せ場を盛りこんであるわりにいまいち楽しくないのは人物に対して突き放しすぎる描きようか?主人公グループはもっと感情移入できたらさらに盛り上がったかも。
読了日:8月10日 著者:岡田秀文
侵略!イカ娘 20 (少年チャンピオンコミックス)侵略!イカ娘 20 (少年チャンピオンコミックス)感想
とうとう20巻の大台に乗りましたなー。最近初期のコミックスを読み返したので洗練っぷりがよくわかる。絵がスッキリ整理されて見やすく、ちゃんとインパクトあり。それとお話がほんと巧くなりましたね。綺麗にオチてる話が多くて感心した。スプラトゥーンのコラボも自然に溶け込んでて好感触。水鉄砲の回がおそらくコラボ回だろうけど展開に無理がない。偽イカ娘ネタまだ続いてるのも面白い。でも中の人の鮎美ちゃんもときどき出してあげてほしいなー。
読了日:8月8日 著者:安部真弘
進撃の巨人(17) (講談社コミックス)進撃の巨人(17) (講談社コミックス)感想
成長と、改革と改変、そして見えてきた希望。忍び寄る絶望!?今回も激動の展開で1ページとして読み飛ばせない。己と向き合い変貌するヒストリア。自身の中の子供を捨てようするエレンときて、コミックス1巻の展開をダブらせる演出は鳥肌。これまでも面白かったが、この巻は一際読み続けてきた喜びを実感できる内容だった。特になんともいえない寂寥感がじんわり染みてくる。珍しく平穏な空気が漂ったかと思ったら最後の凶々しい引き、ときたもんだ。憎いね。ところで私は男だけど少年時代のリヴァイ萌えしてもた。これちょっとヤバくね!?
読了日:8月7日 著者:諫山創

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