7月の読んだ本 まとめ

2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:3616ページ
ナイス数:1328ナイス

映画でにぎりっ屁!映画でにぎりっ屁!感想
再読。漫画で映画レビュー本ではかなり気にいってる。役者の顔やリアクション、アクションシーンの表現が面白い。この人にはこんな風に見えてるのか!的な興味があるしデフォルメとしても良く描けてる。マトリックスを絶賛して続編でがっかりしてる様が時代性があるなあ。
読了日:7月31日 著者:榎本俊二
血路―南稜七ツ家秘録 (時代小説文庫)血路―南稜七ツ家秘録 (時代小説文庫)感想
普通の厚さの文庫本ではあるが中身は三冊分ぐらいの濃さ。要人護送の追いつ追われつ、少年の成長譚、バトルロワイヤルなど趣向の詰め込みっぷり。またそれらすべてがサバイバル活劇であるなど作品として一貫していてブレがない。一気読み必至の内容ではあったが夏の暑さのあまり頭が働かず何度も読むのを中断してもったいない読み方をしてしまった。続編の死地もいずれ読んでみよう。
読了日:7月31日 著者:長谷川卓
ドキドキ!プリキュア (ワイドKC)ドキドキ!プリキュア (ワイドKC)感想
これほど全編、絵が美麗な漫画を読んだのも久々で紙面からこぼれるキラキラとしたオーラが凄い。一話一話のページが少ないし話数が限られているため、アニメを全話視聴して読むとどうしても駆け足のダイジェストに感じるのは仕方がない。しかし制約の中で独自にエピソードを作りこみ、泣きどころ笑いどころ、はっきりしたテーマを盛ってくる姿勢は賞賛もの。アニメと漫画の雰囲気に違和感がないのも見事。上北氏による他のプリキュアシリーズも積極的に書籍化していただきたい。抜群に漫画が上手いので制約のないオリジナル作品も読んでみたいなあ。
読了日:7月23日 著者:上北ふたご
武死道 第4巻 (バーズコミックス)武死道 第4巻 (バーズコミックス)感想
完結。結論を言うと面白かった。特に物語の畳み方は素晴らしくロマン溢れる余韻。しかしこの作品本来持っているはずのポテンシャルからしてもっと高みに昇れたはず。小説からのアレンジも上手かったしこれだけオリジナリティーがあるのに、絵の粗さでかなりのマイナス点がついてしまった。画で圧倒的イマジネーションを表現できていれば凄いところまでいったんじゃないか。特に原作の旋風伝が気合いの入りまくった傑作だったぶん、小説には強烈な漫画力で対向してほしかった。察するに執筆環境の余裕の無さがあったろうが、もったいない作品だった。
読了日:7月22日 著者:ヒロモト森一,朝松健
武死道 第3巻 (バーズコミックス)武死道 第3巻 (バーズコミックス)感想
時代活劇からウェスタン活劇、さらには無国籍バイオレンス・アクションへとブーストがかってゆく。濃い面子が入り乱れてこれで絵にパワーがあれば抜群の迫力だったろうに肝心なところでラフみたいな力のない描線がトホホ。主人公が苦悩して成長する過程などドラマチックで決してつまらない作品ではないだけにもったいない、としか言いようがない。ヒロモト森一も画力ある作家なはずなのでなぜこんなことになっているのか理解に苦しむ。執筆環境に余裕がなかったのか?
読了日:7月22日 著者:ヒロモト森一,朝松健
武死道 2 (バーズコミックス)武死道 2 (バーズコミックス)感想
前巻は荒々しかった画面が2巻に入ってから単に絵が荒れてるだけになっている部分が散見され、演出に見せかけた手抜きでページを稼いでいるのは興冷めしてしまう。展開や描かれているテーマそのものは面白いので読めるが次巻以降、絵にエネルギーが戻ってきてくれないとこれはしんどい。
読了日:7月22日 著者:ヒロモト森一,朝松健
武死道 第1巻 (バーズコミックス)武死道 第1巻 (バーズコミックス)感想
朝松健の原作小説も良かったけど、この漫画はベースにしただけで完全に別物になってますな。とりあえずは勢いでぐいぐい読ませる第一巻。ここからいかに、そしてどこまで飛躍していくか?
読了日:7月22日 著者:ヒロモト森一,朝松健
ツクモガミ 帝都情報部特権諜報員零零七式 (JUMP j BOOKS)ツクモガミ 帝都情報部特権諜報員零零七式 (JUMP j BOOKS)感想
設定、キャラクター、展開程よく練り込んであってコンパクトにまとまっている。逆にいえば飛び抜けた特徴がない、ともとれるのだが。シリーズ化前提のライトノベル作品が多い中、このように一冊で綺麗に終わってくれると読後感もスッキリする。といってもこれ続編出来る内容ではあるな。
読了日:7月20日 著者:間中葦
公家武者 松平信平 1 (花とゆめCOMICS)公家武者 松平信平 1 (花とゆめCOMICS)感想
原作のロマンス要素を抽出して上手く少女漫画に仕立ててある。いわば松姫視点から語り直した公家武者シリーズといった内容。まだ1巻だから今後はわからないけれども原作の勧善懲悪、捕物帳的な面白さは目減りしている。でも時代恋愛漫画として良い感じに別物に仕上がってると思うので漫画版はひたすらロマンス路線突っ走ってもらってもいいような気がする。
読了日:7月20日 著者:子安秀明,南部ワタリ
デストロ246 4 (サンデーGXコミックス)デストロ246 4 (サンデーGXコミックス)感想
人死も出て一気にエンジンが掛かった。瞬間に炸裂するバイオレンスがたまらない。次巻以降濃厚なバトルロワイヤル展開になるのは必至でもういまから待ち遠しくて仕方がない。いよいよ面白くなってきた。
読了日:7月20日 著者:高橋慶太郎
鱗光の剣 (講談社文庫)鱗光の剣 (講談社文庫)感想
設定や剣戟場面は良く出来ていて面白いがいくらなんでも趣向の詰め込みすぎな上に登場人物が多すぎ。場面場面は読み応えあるので話を整理してスッキリさせるか、もっと枚数増やして書き込むかどちらかにしてほしいところ。
読了日:7月20日 著者:鳥羽亮
小説 浪人街 (時代小説文庫)小説 浪人街 (時代小説文庫)感想
独特の伝法な語り口は気分が出てなかなか良いし、登場人物の心情はよく描けている。これで活劇的なパートに骨太さが有ればなあ。特に最後の大立ち回りの臨場感が弱い。全編湿りっぱなしでカリッとしたところがない。コンパクトにまとまっているとは思うし描きたいこともわかるんだけれども。
読了日:7月19日 著者:鈴木哲也
討たせ屋喜兵衛 斬奸剣 (ハルキ文庫―時代小説文庫)討たせ屋喜兵衛 斬奸剣 (ハルキ文庫―時代小説文庫)感想
登場人物のコミカルな味付けがなかなかのオリジナリティー。前半はシチュエーション・コメディとしても面白い。そのぶん後半けっこう残酷な描写があって引いてしまったのもあるが。にしてもアイデアも詰め込んであり内容が濃いので読み応えはあった。この巻は誕生編というべきで討たせ屋としての本当の活躍は次巻からになるようだ。一見よくあるパターンの時代小説のようでそうはならないように作者が仕掛けを捻っているのには好感を持てる。
読了日:7月19日 著者:中里融司
せっかち伯爵と時間どろぼう(3) (講談社コミックス)せっかち伯爵と時間どろぼう(3) (講談社コミックス)感想
もうむちゃくちゃにネタが濃くトリップ感すらある。まだまだ世間では人騒がせな人が続々と出てくるのでいずれこの漫画にもフィードバックして出てくるんだろうなあ。あと妙にハイレベルの下ネタには感心した。
読了日:7月17日 著者:久米田康治
オービタル・クラウドオービタル・クラウド感想
いきなり専門用語がドカドカ出てくるのには面食らったがある程度読み進むと慣れる。根本のネタと仕掛けは抜群に良い。しかしエンターテイメントとしての盛り上げ方が上手くないのがなんとも惜しく、共感できる登場人物がいないのも残念。中盤以降はもっと緊張と高揚があっていいと思うのに語り口が平板なのが歯がゆい。テクノスリラーというよりはエスピオナージュを読んだ印象が強いけれども力量あるジャンル作家が書けば3倍は面白くなったんじゃないかと。アイデアがいいので高望みをしたが最終的に宇宙開発に対するロマンは大いに感じた。
読了日:7月17日 著者:藤井太洋
ファンム・アレース 1 (講談社文庫)ファンム・アレース 1 (講談社文庫)感想
序盤出てくるヤクザ、剣豪、渡世人といった言葉選びや、ところどころで捕物帳時代劇のような台詞回しが出てくるのは異世界ファンタジーとしてどうなんだ?と気にはなる。しかしそれ以上に独特の文章はみずみずしく世界は立ち上がってくるし、なによりも主人公コンビの会話が生きが良く二人が絆で結ばれていく過程はよく描けている。特に派手なエピソードもなくこれだけ読ませるのはやはりなんらかの輝きがあるからだろう。物語の規模も大きくなっていきそうだからこれは次の展開に期待しても良さそうだ。次巻の文庫版刊行待ち。
読了日:7月2日 著者:香月日輪
縄 ―JOH― (ヤングキングコミックス)縄 ―JOH― (ヤングキングコミックス)感想
あとがきで著者が書いているように「官能」を狙っているのはわかるし絵で表現出来ているのがなかなか。今やこういう路線の作品が少ないし、かといって昔の劇画のような油っぽさもなく程良いので著者の姿勢は支持したい。
読了日:7月1日 著者:佐野タカシ
惡の華(11)<完> (講談社コミックス)惡の華(11)<完> (講談社コミックス)感想
読み終えて残る喪失感。特に主人公春日の変化には感情移入していただけに置いてけぼりをくらわされた哀しみが胸に迫る。頭で考えるとここにたどり着くのが正しいエンディングなのだが感情的には絶対認めたくない終わり方。いやむしろ最後まで自分の中の道徳や理性、倫理を揺さぶられたことになるから求めたものはあったといえるのだが。この物語の登場人物はこういう選択をした、と受け止めるとして終わってしまった以上あとの情念は自分の人生という物語に向けるしかない。だからどう生きればいいのか?はわからないけれども。
読了日:7月1日 著者:押見修造

読書メーター