4月の読んだ本 まとめ

2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3068ページ
ナイス数:1559ナイス

軍鶏侍 (祥伝社文庫)軍鶏侍 (祥伝社文庫)感想
評判の良さは知っていたが今になって読了。これまでにも文庫書下ろしの時代小説は多く読んできたがこれほど馥郁たる味わいのものは読んだことがない。いや実に素晴らしい。最初の短編は硬さが気になったがあとの方になるにつれ洗練されてゆく。5編どれも話そのものは地味なれどそれぞれに違った趣向があるのは芸を感じるし描写の巧みさみずみずしさには小説を読む喜びがある。今のところ藤沢周平諸作品の影響ははっきりあるが今後作者ならではのオリジナリティももっと出てくるのではないかと思う。大いに気に入ったので続刊もちびち読んでいこう。
読了日:4月28日 著者:野口卓
風俗行ったら人生変わったwww (小学館文庫)風俗行ったら人生変わったwww (小学館文庫)感想
2ちゃんねるのログゆえの生々しさも当然あるとは思うがまず著者の語りが程よくリラックスさせてくれるし要領を得ていて読みやすい。登場人物が立っているのも特徴的で特に友人の晋作はインパクトあり。いかにもありえそうなディテールの奔流が圧倒的でぐいぐい読まされる。はっきりしたテーマらしいものもあって最後は綺麗に着地。あまりに綺麗すぎるのでお話の真偽について考えてしまうが考えすぎるのも野暮か。まずは単純に読み物として痛快で抜群に面白い。
読了日:4月21日 著者:@遼太郎
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)感想
主人公像が一昔前の少年漫画風でお話もそれっぽい。これを堂々とやられると一周回って新しく感じるし今時のライトノベル的な要素も入っていてバランスよくちゃんと新鮮さを感じる作品になっている。ただテンポの悪さというか語りのまどろっこしさがワクワク感の持続を削ぐところもあり、上々の開幕編とまではいかないのが少し残念。終盤は熱くなる描写があるし作品の核はたいへん良いと思うので次巻のレベルアップに期待したい。
読了日:4月21日 著者:大森藤ノ
凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)感想
一冊の本としてもう少し内容を整理した上で読めればもっとストレートな迫力が出たように思うがそれゆえに独特の生々しさがあるとも言えよう。なかなか目的である先生という人物に辿りつけないもどかしさ、後半見えてくる犯行の有り様の無残さおぞましさ。
読了日:4月15日 著者:
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語 公式ガイドブック only you. (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語 公式ガイドブック only you. (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)感想
劇場版アニメおさらいのつもりでザッと読むつもりがとてもザッと読めるもんじゃーなかった。演出にしても美術にしても細かい意図や裏設定がテンコ盛りでこんなものスクリーンで一気に見せられりゃあまりの情報量に圧倒されるわなあ。一回見てそれで十分な作品が多い中、このような厚みのある映像作品を見れたことを幸福に思うしガイドブックも内容が充実しすぎてまだまだ味わいが尽きない。
読了日:4月13日 著者:原作:MagicaQuartet,編:まんがタイムきらら
アルスラーン戦記(1) (少年マガジンコミックス)アルスラーン戦記(1) (少年マガジンコミックス)感想
これ原作は最初の角川文庫が出た当時に読んだからなんと28年ぶりに漫画として読み直したわけか!当時楽しくは読んでいたものの小説版は第一部完結前に途中放棄、今では私の中で田中芳樹はすっかり嫌い方の作家になってしまった。それでも登場人物や固有名詞は覚えているな。やはりもともとは面白いお話だと思うし漫画としてとても良く出来ている。できうれば原作の嫌味なところは中和した上で続けていただければありがたい。
読了日:4月12日 著者:荒川弘
進撃の巨人(13) (講談社コミックス)進撃の巨人(13) (講談社コミックス)感想
いわば陰謀編突入といった内容か!?伏線回収にきたかと思いきやさらなる謎の連打で展開から目を離せない。重くサスペンスフルな場面が続きながらもキャラクターは躍動し物語の流れは止まらず。その上ところどころ爆笑ポイントを仕掛けてくる周到さ。特にこの巻は表面的なインパクトより作品が本来持っている知的さがはっきり見えて興味深い。
読了日:4月9日 著者:諫山創
飛べない蝶と空の鯱 〜たゆたう島の郵便箱〜 (ガガガ文庫)飛べない蝶と空の鯱 〜たゆたう島の郵便箱〜 (ガガガ文庫)感想
ライトノベルジュブナイルの美味しいところを抽出して上手く混ぜあわせた感じ。主要登場人物が少年と少女二人だけでお話がシンプルときて空中戦の臨場感がなかなかで力強い。ただし終盤に入ってからは文章が言葉足りていない上、世界観と感情に溺れすぎでちょっと惜しい結果になってしまった。最後まで引き締まっていたなら印象がもっと鮮烈であっただろう。にしても一冊でまとまっているところは買えるし壮大なプロローグとも読める。あと5冊続くからぼちぼちと読んでいきますかね。
読了日:4月9日 著者:手島史詞
ドキドキ!プリキュア オフィシャルコンプリートブック (学研ムック)ドキドキ!プリキュア オフィシャルコンプリートブック (学研ムック)感想
スマイルプリキュアに続いてドキドキ!プリキュアもコンプリートブックを手にする。話数が多いので再鑑賞するのはしんどく、この本でざっとおさらいできるのはありがたい。比較的安値で充実した内容。スタッフインタビューを読むとスマイルに比べドキドキが大人っぽくスマートに仕上がっていた理由がよくわかった。来年はハピネスチャージプリキュアのコンプリートブックも買ってしまうのかなあ?
読了日:4月8日 著者:
三国志 (ニ) (星海社文庫)三国志 (ニ) (星海社文庫)感想
内容が面白い上に文章に滋養があって早く読んでしまいたいようなゆっくり味わっていたいような二つの気持ちが入り混じる。特に二巻目となると人物の彫り込みの深さ、エピソードごとの余韻など吉川英治の文体が醸し出す香りがより際立つ。この巻もイラストレーションが印象的な場面をカラフルに峻烈に彩り素晴らしい。ラフなタッチも実に良い。この感じで読んでいきたいので三巻は早くでてほしいな。
読了日:4月5日 著者:吉川英治,土林誠
コップクラフト 4 (ガガガ文庫)コップクラフト 4 (ガガガ文庫)感想
軽妙なノリで読ませるシリーズの最新作はこれまでの巻と比べて特に軽い。メインの話がコメディーとして良く出来ていて楽しいんだけども三年待ったからなあ。これでコンスタントに続刊出てくれりゃ最高なんだがなあ。短編二本には今後展開が広がりそうな仕込みも入っていることだし次巻は早めにお願いしたいです。
読了日:4月1日 著者:賀東招二

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