東京ゴッドファーザーズ

PERFECT BLUE』『千年女優』の今敏監督による長編アニメーション第3作。クリスマスの夜、ゴミ捨て場で赤ん坊を見つけたのは、3人のホームレス―かつて競輪選手だったというギン、元ドラッグクイーンのハナ、そして家出少女のミユキ―だった。赤ん坊の母親探しをはじめた3人は、さまざまな事件に巻き込まれることに。やがて母親を見つけるのだが…。現代の東京を舞台に繰り広げられるドタバタ喜劇、いやむしろ“ドタバタ奇跡”と言うべき物語だ。東京の街をリアルに描き込みながらも、アニメらしい誇張表現を多用して、カジュアルな雰囲気の作品になった。めまぐるしく転がっていく状況の中に3人の過去への清算を巧みに織り込みながら進んでいく脚本(今敏と『カウボーイビバップ』の信本敬子の共作)が見事だ。音楽を担当するのが鈴木慶一ムーンライダーズの面々という人選はニヤリとさせられるところ。あたたかい余韻の残る佳作となっている。(安川正吾)

実は何日か前に見たんだけど、続けて見たそれでもボクはやってないにビビってしまい
感想が後回しになってしまった。今敏監督は今年の夏に亡くなられたのに作品はまだ
一本も見たことなくてこれを選んでみたわけ。畳み掛けるような偶然の連鎖と画面の
疾走感、90分ほどの尺も引き締まって見終わって幸せな気分になれる作品。
それでもボクはやってないの後に見ればちょうど良かったのに順番をまずったなー。
あるいはもう一週間ほど後で見たかったかも。粋なクリスマス・ストーリーで時期的
にもばっちりだったのにちょい惜しい。