ボーン・アルティメイタム
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記憶を失い、戦闘マシンと化したジェイソン・ボーン役でマット・デイモンが熱演をみせる大ヒット・アクションのパート3。ボーンが自らのアイデンティティーを求める旅も、ついに佳境を迎える。前作のラスト、モスクワから始まるボーンの隠密の旅は、その後、パリ、ロンドン、マドリッド、さらにモロッコのタンジールを経てニューヨークへと向かう。すっかり暗殺者の濡れ衣を着せられた彼は、CIAによる新たな「ブラックブライアー計画」が進むなか、またもや亡き者にされる運命にあった。
テレビ放映でジェイソン・ボーンシリーズ2作目のボーン・スプレマシーの放映がありましたがそこまではすでに鑑賞済みなのでこの機会に3部作完結編を見ました。私はこのシリーズそれなりに面白くは見てきたものの思い入れはあまりなかったのですがこのボーン・アルティメイタムはかなり良かったので印象が跳ね上がりまくりです。まず良かったのは前作スプレマシーが迫力を出そうとしての演出としても画面ブレすぎ、カット割り細かすぎで何が起こっているのかわからなかったのが改善されていること。演出の仕方は踏襲しているんですが加減が出来て程よい案配になりましたね。それと派手なアクションを見せれば盛り上がるだろうという考えで作っていないこともビンビン伝わってきます。この作品はもちろんアクション映画ではありますが作品を支えているのはむしろサスペンスの手法でして危機的シチュエーション作りが一つ一つ丁寧で画面のブレがまた不安を煽り、全編緊張感がたまりません。で、ジェイソン・ボーンが合理的な判断と無駄のない動きで突破していくのが気持ちがいい。逃亡と追跡がめまぐるしく入れ替わりぐんぐんヒートアップした上でクライマックスの猛烈なカーチェイスになだれ込み!とくればテンションも上がるってもんです。謀略活劇というものは人間関係がわかりにくくなりがちなものですがそのあたりの交通整理も見事ですし、舞台背景に凝るよりひたすらジェイソン・ボーンの行動を追う作品の姿勢は戦略としても賢くてそこも見事です。
- 作者: ロバート・ラドラム,山本光伸
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