9月の読んだ本 まとめ

9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3065ページ
ナイス数:78ナイス

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)
扱っているテーマも良いし小早川さんの放っておけない危なかっしさもかなり萌える。文章にも独特のユーモアや毒も健在。それだけに作品全体に漂う性急さがなんとも惜しく、いまいち入り込めないところがある。前の単発作品AURAが良すぎたのでハードルが上がってしまっているのかも知れないが。なんにしても感情的なり行動的なり爆発的カタルシスが欲しいところ。著者の執筆環境に余裕がなかったんだろうか?
読了日:09月28日 著者:田中 ロミオ
十三人の刺客 (ビッグコミックススペシャル)十三人の刺客 (ビッグコミックススペシャル)
森秀樹という漫画家は初めて読むが画力演出力のある作家のように思う。なのに紙幅の都合だと思うが大雑把なダイジェストになってしまっておりもったいない内容。エピソード一つ一つが軽い上に山場の大名行列襲撃がはしおられすぎ。それなりの尺があれば堂々たる漫画版になった可能性はあったと思う。人物の顔付きなどよく描けているのに惜しい。
読了日:09月20日 著者:池宮 彰一郎
とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)
ライトノベルの枠を越える重厚さ。とくにこの上下巻はファンタジーの要素は薄く空戦ものであり架空戦記であるが、なりより男と男が誇りを賭けて一気討ちする純正なる冒険小説であった。またクライマックスの魔犬と海猫の対決は期待を越える迫真の描写で体温が上がる。いまどきのライトノベルにない男臭さが堪らない。これ単体でも読めるがやはり追憶を読んだ以後に手を出してほしい作品。シリーズもまだ新展開があるようなので期待して待ちたい。
読了日:09月19日 著者:犬村 小六
とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)
上巻は発売日に買っていたが一気読みしようと今までとっておいた。恋歌よりこちらの方が直接的な続編的性格が強いように思う。ラストも見事な引き。下巻で千々岩対海猫の空戦リベンジマッチが描かれるのは必至なのでそのへん大いに期待したい。近々追憶劇場アニメの試写会にも行く予定なのでそちらも楽しみにしている。
読了日:09月19日 著者:犬村 小六
妾屋昼兵衛女帳面 側室顚末 (幻冬舎時代小説文庫)妾屋昼兵衛女帳面 側室顚末 (幻冬舎時代小説文庫)
お話のセットアップが実に巧みで冒頭から掴まれ一気に読まさせられてしまう。混乱しそうな権力争いをきちんと人物を交通整理してすっきり読ませる手腕もさすが。シリーズ化前提の作品ではあるがこれ一冊でたいへん充実した内容で堪能できる。面白かった!
読了日:09月16日 著者:上田秀人
マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
特異な文体から生まれるスピード感と凝縮された内容が凄まじい。いきなり大量の人物が出てくるのでかなり面食らう部分はあるがここは細かいことは気にせず作品の勢いに乗るのが良しと思われる。
読了日:09月12日 著者:冲方 丁
魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)
もともとがweb小説なせいか独特の改行や癖があるが慣れればそう苦にもならない。設定描写が大変多いがそれなりに魅力があるし読みごたえはある。そのぶん物語のテンポや進行が遅い。これといった展開がないまま上巻終了。土台はかなり積み上げてあると思うのでこれが今後どれだけ生きてくるのか続刊次第としかいまのところ言えない。ただ「ちょっと」を「チヨッと」と表記するのは直してもらった方がよかったんじゃないかと。
読了日:09月09日 著者:佐島 勤
竹光侍 4 (小学館文庫)竹光侍 4 (小学館文庫)
完結編。四巻かなり凄絶な展開になりラストシーンは美しく着地を決めた。人情話あり捕物帳あり剣豪ロマンありで時代劇の勘どころをきっちり押さえ過不足なくまとまった作品だった。全体を通しても艶のある文章がよろしかったように思う。いずれ松本大洋の漫画版も読みたいが今しばらくは小説を読み終えた余韻に浸りたい。
読了日:09月07日 著者:永福 一成
妖精作戦 (創元SF文庫)妖精作戦 (創元SF文庫)
最初の方で描かれる舞台背景は時代性を感じるものの一旦話が動き出すと抜群のテンポとノリで一気読めた。最初のソノラマ文庫は刊行時に本屋で見かけたのになあ。あの時買って読むべきだったかも。作品のトーンも今時のライトノベルに近いので本文にイラストが欲しいところですね。
読了日:09月04日 著者:笹本 祐一
竹光侍 3 (小学館文庫)竹光侍 3 (小学館文庫)
実質内容的には過去編にあたるエピソードが主の巻で一気に深みが出てきた。そのぶんストーリーは前に動かないがこの溜めが次の最終巻でどれだけ効いてくるのか期待は高まる。
読了日:09月02日 著者:永福 一成

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