暗闇坂 五城組裏三家秘帖

暗闇坂―五城組裏三家秘帖 (二見時代小説文庫)

暗闇坂―五城組裏三家秘帖 (二見時代小説文庫)

元禄九年師走の早朝。実高百万石と噂される仙台藩藩士二人が怪死した。一人は切腹、一人は斬死。いったいなぜ?誰が?藩奉行探索方で影山流抜刀術の名手・望月彦四郎に真相解明の命が下った。手掛かりは二人が残した俳人芭蕉の句三句。それにどんな秘密が?行手を阻む壁と謎。やがて第二、第三の悲劇が…。大型新人が挑む白熱の時代小説傑作。

今現在3巻まで刊行されてるシリーズの一作目。
文庫書下ろし時代小説を読んでいるとそこそこ面白く読めても薄味で物足りないものに
当たることはよくあるんだけど、この作品は中身が濃く非常に面白く読めた。描写に
うるおいがあるのがたいへんよろしく吉原の描きようなどは妖しく艶めかしい。
推理小説的な趣向が上手く使われていてぐいぐい引っ張られる。生活リズムがちょっと
崩れて頭がもやもやしていてもスッキリ読めてありがたい。
しかし連続して時代小説というのもちょっと読み疲れがしてきたので、次はなんか違う
ジャンルを選んで一旦頭を切り替えるとするか。