それでもボクはやってない

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

周防正行監督が10年のブランクを経て完成させ、これまでの作風を一変させた社会派の1作。電車内で痴漢の容疑をかけられた青年が、無実を訴え続けるも、証拠不十分のために起訴されて裁判で闘い続けることになる。監督が痴漢冤罪事件を取材して練り上げた物語だけあって、細部まで綿密にリアルな展開。これまでの裁判映画では描ききれなかったシーンがいくつも登場し、最後まで観る者を惹きつけて離さない作りになっている。留置場での日常は、経験していない人には驚きの連続だが、最もショックなのは「疑わしき者は有罪」という警察や裁判所側の姿勢。取り調べでの自白強要はともかく、冷静に判断しそうになった裁判官が急に左遷されてしまうエピソードが強烈だ。被告人の青年役を演じる加瀬亮を中心に、キャスト陣もそれぞれの役を好演。電車内での痴漢に関わらず、ちょっとした運命によって、その後の人生が一変してしまう怖さは、本作を観た人すべてが感じるはずだ。(斉藤博昭)

兎にも角にも強烈な怖さ!
最初から怖いけど裁判官が小向井文世に変わってからの不気味さがただ事ではなくて
眼つきから淡々とした明るげな口調まで画面が恐ろしくて仕方がない。
常にイライラしている尾美としのりの検事もだんだん怖くなる。
個人に司法や権力が直にのしかかってくる構図がまたコワいです。
人物を必要以上にデフォルメしたり煽るような演出をしてこないのがリアルだなー。
間違いなく傑作でテーマについて自分なりに考え咀嚼すべき作品とは思うんだけど
あまりの怖さにダメージを受けてしまい今のところ、参ったとしか言えない。
ある程度年を取ってくると幽霊が出てくるとか怪物が襲ってくるとかより社会的に
不条理に突き落とされる話のほうが堪える。

ぼくは痴漢じゃない!―冤罪事件643日の記録 (新潮文庫)

ぼくは痴漢じゃない!―冤罪事件643日の記録 (新潮文庫)

ある朝、通勤電車の乗り換え駅で、若い女性に腕を掴まれ、「触ったでしょ!」と糾弾された一人の会社員。駅員に諭され事務室に行くと、現れた警察官はすでに彼を痴漢扱い。そのまま留置場に放り込まれ、ベルトコンベア式に犯人に仕立てあげられて…。2年の歳月をかけ、仕事と金を失いながらも、逆転無罪判決を勝ち取った痴漢冤罪被害者の渾身の手記。

なんで映画をなかなか見なかったかというと公開前にこの本読んでいてビビってたのが
あるんだな。んで怖そうでなかなか見る勇気でなくて。見たら案の定、怖かったし。
本である程度知識あったから映画見てのダメージがまだ軽くて済んだ気がする。