カリートの道

出所した大物ヤクザが足を洗ってカタギとして生きようとする話でわりと日本映画にも
ありそうな内容。もっと抗争とかあってドンパチの激しい映画を期待してたんだけど
以外と地味にエピソード積み上げていく作り。それでもこれはこれでどっしりとした
ブライアン・デ・パルマの演出が素晴らしく見ごたえがあり、いい映画だった。
アル・パチーノの演じるカリートが愚直なまでに義理堅く恋愛に対しても一途で、
何事にも一生懸命なのと日本人にも馴染み易いストーリーもあってとても感情移入を
してしまった。ところでショーン・ペンはどこに出ているんだと思ったら悪徳弁護士の
役だったのか。チリチリヘアーで眼鏡かけてるからなかなか気付かなかった。
この弁護士がヤク中でラリってだんだん何をするかわからなくなってくるところが
サスペンスが効いているし、一転追われる身となってしまったカリートがギャングに
追い回される終盤は抜群のスリル。このあたりは構図の見せ方が上手いので本当に
ハラハラする。駅構内のエレベーターでの銃撃戦は一気に暴力が炸裂してすごい迫力。
ラストシーンは胸が締め付けられる哀切感があって満足した。アル・パチーノの声の
吹き替えが最近亡くなられた野沢那智さんだったのも含めて感慨深い。
この映画、中盤まではちょっとダルくて退屈するとこもあるんだけど後半から終盤に
かけての盛り上げ方が凄い。
カリートの道 (扶桑社ミステリー)

カリートの道 (扶桑社ミステリー)

原作本いつ買ったのか持っているので読んでみるかな?訳者あとがきによるとこの本は
二部構成で映画になったのは第二部の方がメインらしい。刑務所に入る前の若い頃の
カリートには大いに興味あるのでそのうち読んでみるか。