おおかみこどもの雨と雪 小説版感想

人間の姿をした“おおかみおとこ”に恋をした大学生の花は、やがて“雪”と“雨”という姉弟を授かる。人間とおおかみ両方の顔をもつ“おおかみこども”であることを隠しながら家族はひっそりと幸せに暮らし始めるが、突然“おおかみおとこ”に死が訪れる。残された花は雪と雨とともに、都会を離れて田舎に移り住むことを決意するが―!?細田守監督初の小説がスニーカー文庫版で登場。

映画を鑑賞後に読んだので補足という意味合いでは読んだ甲斐はあったんですよ。映画を見て腑に落ちなかった場面のいくつかは、説明的なことや人物がどう思ってたのか書いてありますからね。でもこれは小説としてあんまり感心する出来栄えじゃないです正直。映画は場面場面の演出が優れていてそこが良かったんですが文章として描写が表現し直されてるわけでもなく淡々と筋書きにそって流れていっちゃうだけですから。よくある平凡なノベライゼーションの範疇を出ないです。終盤の大雨の描写はアニメで見ればそりゃあ素晴らしいものでしたが小説ではザアアアアアアアアァァァァァ………!!!とかゴオオオオオオオオオ!!!!など擬音語だらけでかなりつらいものがありました。映画の副読本的に読むぶんにはいいかも、ですがそこを超えて単体の小説として魅力あるものが読みたかったなあ。

角川文庫でも小説版出てますね。カバーイラストがアニメーションの雰囲気に近かったのでスニーカー文庫版を選んでみました。